Z世代と考える就職とキャリア設計 第1部(前編)

2026年卒の就職活動が始まります。彼らはZ世代と呼ばれていますが、どのような就職感やキャリア設計を持っているのでしょうか。アクティベーションストラテジーの若手社員とインターン生で考えてみました。

柴田:
皆さんはいわゆる「Z世代」と呼ばれ、一般的には下記のような価値観、消費性向等を持つと言われていますが、世の中の一般的なイメージと同じだなと思う部分、ちょっと違うなと感じる部分はありますか?

熊谷:
無駄なことに時間を消費しないという点は共通していると思います。これまで精神論でとにかく頑張れ!という社会的風潮だったようですが、納得できない理由で上司から言われたことをそのままひたすらこなす・・・という行動は共感できないですね(笑) なぜ必要なのかという理由や目的が明確ではないとやる気は起きないです。

相馬:
私も同じく目的や理由が分からないのは嫌ですね。高校時代に納得がいかない校則いくつもあって、先生に食い下がった経験があります。

清岡:
無駄を減らすという点は共感できます。もっと突き詰めると私たちは反骨精神というか現状を変えていきたいという思いが強い世代なのだと思います。言い方がきつく聞こえる「無駄」という言葉を敢えて使ったり、「効率性」といったものに対して積極的に意見を述べたりする姿勢は変えたい!というフロンティア精神の表れなのかもしれません。

柴田:
なるほどね。Z世代の特徴にキャリアについて保守的・安定志向を求める傾向があると言われていますが、コンサルティング業界はハードワークや長時間労働が未だ一般的でもあります。一見Z世代の思考とは相容れない部分もあるのではないかとも思えるのですが、どうでしょうか。 熊谷:無駄なことに時間を投資したくないという気持ちはありますが、楽しいことや本当にやりたいと熱望したことに対しては、自分が納得できるまでやり遂げたいと思います。もちろん、身体を壊すまでというのは違いますが、諦めずに最後までやり切る気持ちとそれが許される環境も必要なのではないでしょうか。

相馬:
就職活動を始める前の大学2年生までは、「ワークライフバランスは欲しいな」とか「ホワイトな職場がいいな」とか考えていました。どうしてそのように考えていたのかと振り返ると、それは仕事を知らないからだったのだと気付き、就職活動を進めるとともに考えが変わりました。これまでの人生での選択肢は中学や高校や大学をどこにするかという程度で、もし自分に合わない選択をしたとしても3~4年で終わりますが、「働く」ということはこれから50年、60年と長く続くものですよね。それであればやりたいことを仕事にしたいと強く思うようになり、結果的にコンサルティング業界で働きたいという気持ちに辿り着きました。今はハードワークも厭わない覚悟を決めています!

柴田:
頼もしい発言です!そうですよね、学生の時は働くということがどういうことなのか理解が難しいかもしれませんね。

早稲田大学  相馬さん

清岡:
これまでの「ワークライフバランス」という言葉が「ワークライフハーモニー」へと変容したように、仕事も自己実現の一部になったのではないでしょうか。昔は仕事とプライベートをONとOFFで切り分けて考える傾向が強かったかと思いますが、やりたい仕事であれば気にしない!と言い切るのがZ世代なのかなと思います。

柴田:
確かに仕事に対する意識は変わってきていますね。経済やそれに伴う人々の欲求が成熟した時代だからこそ、プライベートだけでなく、仕事の時間も含めあらゆる活動において、より高次の欲求(承認欲求や自己実現欲求)を求めるようになってきたと思います。ちなみに、どのような就職観を持っていますか?

相馬:
内定をいただいてどれだけ考えても正解は見つからないので、自分の感情に従って判断することを意識しています。また、これまでの経験からベンチャー企業のような組織が私には合っているように感じています。

柴田:
そうなの?

相馬:
はい。中学時代に所属していたサッカー部は弱小チームだったこともあり、組織として確立されていないことが数多くありましたが、万全な環境でなかったからこそ自分たちで考え、挑戦していくという体験が今の自分を形成していると分析しています。仕事においてもベンチャーのような私でも参画できる環境の方がやりがいを感じられそうだなと考えています。

柴田:
出来上がった環境よりも課題や難題があって、それを解決していく方がわくわくするのかな?

相馬:
そうですね。そこでもがいている方が毎日生き生きするだろうなと思います。

清岡:
私は労働の対価としてお金だけではなく、仕事の楽しみなどを感じられる職種に就きたい、そして人のために働きたいとも考えていました。

柴田:
コンサルタントは人のために働いている印象が強いと感じているのでしょうか?

清岡:
そうですね。ですので、企業規模の面では中小ファームの方がより人のために働いている感がダイレクトに味わえるのではないかと思います。大規模ファームはどうしても歯車感が拭えず、満足できないのではないかと。

柴田:
なるほど。

東京外国語大学  清岡さん

東京理科大学 熊谷さん

熊谷:
私は今3年生なので、実はまだちゃんと考えていない状況です。これからも就職活動はしますが、仕事を楽しめることを大切にしたいので、まずは直感的に「この会社に入りたい!」と思えるかどうかがポイントになると思っています。様々な問題に直面することもあると思いますが、自分が好きだと思う仕事であれば頑張れると思っています。好きな仕事を見つけて、好きな会社を見つけて、そこから内定がいただけると嬉しいです。

柴田:
希望する就職ができるといいですね。ところで、これまでの日本社会は終身雇用が主流でしたが、今や転職は当たり前の時代になりました。転職について皆さんはどう考えていますか?

熊谷:
10年先に繋がるようなことをしたいと考えていますが、同じ企業で定年まで働くといったことは考えてないですね。自分に合う社風や仕事内容、より活躍できそうだなと思える会社を見つけたら転職したいです。

清岡:
私も転職を前提に働くつもりではなくて、時間や経験と共に価値観などが変わっていく中で自分にとってより良い環境があるのであれば転職をするという考え方ですね。

相馬:
私は30年後ぐらいにやりたいことがあるので、逆算してキャリア設計をしたいという考えはあります。

柴田:
ところで、就職の前にインターンをやろうとした理由について聞かせてください。

相馬:
私は器用ではなく、何をやるにも時間を要してしまうので、できる範囲で早めに経験を積んでおきたいと考えインターンに応募しました。

清岡:
私はコンサルティングという仕事が一体どういうものなのかを知りたかったのと、会社の雰囲気も体感したかったのでインターンをやろうと思いました。

柴田:
ポジティブな成長をしていきたいですね。